喉の渇き・多飲・多尿と糖尿病

喉の渇きと糖尿病

糖尿病で喉が渇くメカニズム(理由)

糖尿病で喉が渇くメカニズムは、高血糖により体内の水分が尿として大量に排出される「多尿」と「多飲」が原因で起こります。 血液中の糖濃度が高くなると、腎臓が余分な糖を尿として排出しようとします。この際、糖分を溶かすために大量の水分も一緒に尿として体外に排出されるため、トイレの回数が増え頻繁な排尿とそれに伴う脱水から喉の渇きが生じます。

多飲と糖尿病

糖尿病による多飲(水をたくさん飲むこと)は、血糖値が高い状態が続くと多尿になり、体内の水分が失われることへの生理的な反応です。高血糖状態が続くと、腎臓が余分な糖を尿として排出する際に多量の水分が奪われるため、脱水状態に陥り、のどの渇き(口渇)を感じるようになります。この強い口渇感を解消するために水分摂取量が増え、「多飲」となります。

多尿と糖尿病

糖尿病による多尿は、血糖値が高い状態が続くと、血液中のブドウ糖濃度が高くなって身体が水分を多く欲し、水分摂取量が増えることと、腎臓が糖分を尿として排泄するために起こります。また、糖尿病が進行すると末梢神経に障害が起こり、膀胱の働きが低下して神経因性膀胱になることが多尿の原因となる場合もあります。 身体はこの濃度を薄めようと大量の水分を欲するため、喉が渇いて水分摂取量が増えます。 水分を多く摂ることで、排尿量(多尿)と排尿回数(頻尿)が増えます。 腎臓が血液中の過剰なブドウ糖を尿とともに排泄しようとする働きも、多尿の一因となります。 また糖尿病が進行すると、排尿をコントロールする末梢神経が障害されることがあります。 この神経の障害によって膀胱の機能が低下し、適切に尿を貯められないまま頻繁に尿意を感じる「神経因性膀胱」を引き起こすことがあります。特に、夜間に何度もトイレに起きる「夜間頻尿」の症状が現れることも特徴です。

糖尿病以外で喉の渇く原因と病気

■脱水症・発熱:発汗、運動、下痢、嘔吐、発熱などが原因で、喉が渇くのは、脳が体内の水分不足を察知し、水分補給を促すためです。脱水症の症状には、喉の渇きのほか、めまい、口の乾燥、倦怠感などがあります。

■塩分やアルコールの摂り過ぎ:塩分やアルコールの摂り過ぎると、体内の水分バランスが崩れて脱水症状を引き起こすことがあります。またアルコールは強い利尿作用を持ち、尿からの水分排出を増やし体内の水分を奪って脱水を招きます。

■更年期障害:ホットフラッシュ(ほてりや発汗)による体内の水分喪失です。これは、更年期に減少する女性ホルモンのエストロゲンが自律神経の乱れを引き起こし、体温調節機能に影響を与えるためです。また、エストロゲン減少による唾液分泌の低下も、のどの渇きにつながり、脱水のリスクを高めます。

■シェーグレン症候群:自己免疫疾患によって唾液や涙が減少することから、口の中が乾きやすくなり、嚥下困難によって体内の水分摂取が難しくなり、脱水状態になるこtがあります。

■尿崩症:尿崩症とは体内の水分量を調節する「抗利尿ホルモン(バソプレシン)」の分泌低下(中枢性尿崩症)や腎臓での作用異常(腎性尿崩症)により、腎臓での水の再吸収が障害される病気です。体が水分を保持できず、多量の低比重の尿が排出されることで脱水状態になります。

■ストレス(自律神経の乱れ):ストレスを感じると自律神経が働き、過度な発汗を引き起こすことがあります。発汗によって体から水分が失われ、脱水につながります。

■お薬の副作用:利尿薬や糖尿病薬(SGLT2阻害薬など)、下剤などの薬により体内の水分が過剰に排出されることで口の渇き、倦怠感、めまい、立ちくらみなどがあり、進むと筋肉のけいれん、吐き気、頭痛などが現れます。

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喉の渇き・多飲・多尿と糖尿病の原因・症状

糖尿病の原因
・食生活の乱れ ・運動不足 ・遺伝的要因 ・加齢やストレス ・自己免疫異常(1型)など

糖尿病の症状
・口渇(のどが渇く) ・多飲・多尿(尿の量が増える、トイレが近い、1時間に1回以上、夜間頻尿)・尿が泡立つ ・体重減少(食べても痩せる、食べても体重が減る) ・倦怠感(疲れやすさ・疲労感)・手足の痺れ(寝起きの手足の痺れ)・足がつる(夜中に足がつる、こむらがえり)・手足の冷え・目のかすみ・皮膚の痒み・乾燥肌

喉の渇き・多飲・多尿と糖尿病の治療

糖尿病の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法の3本柱があり、高すぎる血糖値を正常域まで低下させ、合併症を防ぐことを目的としています。

糖尿病の食事療法

食べてはいけないものはありませんが、自分に合った分量で、バランスのとれた食事にする必要があります。食事療法は糖尿病治療の基本となるものです。

糖尿病の運動療法

運動療法は食事療法と並んで重要な治療になります。筋肉を減らさず脂肪を減らし、健康的な体質改善をするとともに、カロリーを消費する事で直接的に血糖を下げることが重要です。また、運動によりインスリンの働きが良くなるといったメリットもあります。しかし、急な激しい運動は、病状によっては合併症を悪化させる場合もあるため、医師の判断による運動処方が必要です。

糖尿病の薬物療法

薬物療法には、飲み薬(経口血糖降下薬)による治療とインスリン・GLP-1受容体作動薬の自己注射療法の二つがあります。 使用薬剤の選択は、個人個人の体質や合併症の程度にあわせて千差万別です。

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喉の渇き・多飲・多尿と糖尿病の予防・治療の日常生活での注意点

バランスのとれた食事 ・運動習慣(ウォーキングなど) ・薬の飲み忘れ防止 ・ストレス管理、禁煙、定期的な健康診断を行う。

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当院での取り組み(糖尿病の予防・治療)

白岩内科医院では、複数の日本糖尿病学会認定糖尿病専門医や指導医が、糖尿病に関する診療全般を包括的に担っています。さらに、国立病院機構大阪医療センターの加藤研医師が、1型糖尿病専門外来のために先進医療外来を担当し、先進的な治療にも対応しています。 また、管理栄養士、理学療法士、薬剤師、看護師などの多職種が連携し、食事指導や運動療法、フットケア、薬物管理など、患者さん一人ひとりに応じたサポートを継続的に提供しています。

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喉の渇き・多飲・多尿と糖尿病に関する用語集

 インスリン:膵臓のβ細胞で作られる、血糖値を下げる唯一のホルモンです。インスリンは血液中のブドウ糖(血糖)を細胞に取り込み、エネルギーとして利用できるようにする働きがあります。インスリンの作用が不足(インスリン分泌量、インスリン抵抗性)すると、血糖値が上昇し、高血糖の状態になります。



GI値(グリセミック・インデックス):GI値とは、食品が食後の血糖値をどの程度速く上昇させるかを示す指数



 糖尿病神経障害:糖尿病神経障害の症状は手足のしびれが出現し、怪我・火傷などの痛みに気づかなくなる「末梢神経障害」があります。 さらに、筋力低下や胃腸障害、立ちくらみ、発汗異常、インポテンツなどの「自律神経障害」があります。



 ホットフラッシュ:ホットフラッシュとはほてり・のぼせが起こる原因です。エストロゲンの減少によって、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることによって起こります。

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