腹膜透析の進化

腹膜透析の進化として中性の透析液の改良、遠隔医療システム、カテーテル技術の進化や、自動腹膜灌流用装置(APD)や遠隔モニタリングシステムなどの機器が開発されたことで、患者の利便性が大きく向上しました。

腹膜透析の進化:中性透析液の登場

腹膜透析(PD)は、患者さんご自身の腹膜を使って老廃物や余分な水分を取り除く、 「からだにやさしい透析方法」です。
腹膜透析は、導入当初に比べて大きく進化しており、その中でも透析液(中性透析液)の改良により大きく前進しました。 現在では、技術の進歩により中性〜弱酸性(pH 7前後)の腹膜透析液が開発され、 臨床現場で広く使われるようになっています。
この「中性透析液」は、腹膜に対する刺激が少なく、生理的に近い環境を保つことができるため、 長期治療における腹膜の健康維持が期待できます。

腹膜透析の進化:中性透析液の利点

【 腹膜透析の進化:中性透析液の利点 】
• 腹膜細胞や血管へのダメージを軽減する
• 腹膜炎発症率の低下する
• 腹膜機能の長期維持
• 透析中の腹痛や不快感の軽減する
• 長期間の腹膜透析継続が可能になった
• 従来の透析液に比べて、死亡リスク(全死亡、心血管死亡、感染症関連死亡)が低下したとの報告がある
• 体内環境に近いpHなので、腹膜細胞へのストレスを軽減し生体に近い環境で透析が行える

   ブドウ糖と緩衝剤(乳酸や重炭酸塩)を別々のバッグに分けることで、調製するまで混合しないように工夫されています。
これにより、ブドウ糖分解産物(GDPs)の抑制により、糖化ストレスや酸化ストレスの負担軽減にも寄与します。

腹膜透析の進化:機器(デバイス)

連続携行式腹膜透析(CAPD)機器:1日に4回手動で透析液を入れ替えることで24時間透析が出来る。
自動腹膜透析(APD)機器:就寝中に自動腹膜灌流装置を用いて透析液を自動交換することで1日1度8~10時間の透析が出来るので、昼間の透析の拘束時間が短くなる。   

従来の透析液と課題

かつての腹膜透析液は、酸性(pH 5前後)で保存安定性を保つ設計がされていました。
しかし、この酸性環境や製造時に生じるブドウ糖分解産物(GDPs)が、 腹膜の細胞にダメージを与えたり、炎症・線維化の原因となることが分かってきました。
その結果、長期間の使用で腹膜機能が徐々に低下し、透析効率が下がることが問題視されていました。

白岩内科医院腹膜透析の取り組み

白岩内科医院では、腹膜透析を行う患者さんが安全で快適に長期治療を続けられるよう、 中性透析液を中心に使用しています。
また、管理栄養士や腎臓リハビリスタッフと連携し、 日常生活や栄養面のサポートも含めて総合的に支援しています。

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腹膜を守りながら「長く続けられる透析」

腹膜透析は、日常生活の自由度が高い反面、腹膜を守る工夫がとても大切です。 透析液の改良とともに、定期的な腹膜機能のチェックや栄養・運動管理を行うことで、 「自分らしい透析生活」を長く続けることができます。

腹膜透析の進化に関する用語集

腹膜炎:腹膜炎とは腹腔を覆う腹膜に炎症が起きる病気で、激しい腹痛や発熱などの全身症状を伴います。 胃や腸の穿孔、感染、手術後の合併症などが原因で起こります。



   

引用・参考文献

下記ホームページも併せてご参照ください。 詳しい情報や最新情報などを閲覧することができます。


労働厚生省:腎代替療法について.


日本腎臓学会:腎代替療法.


日本腎臓学会:腎代替療法選択ガイドライン.


日本透析医学会:維持血液透析ガイドライン.


日本透析医学会:透析療法について.


日本腎臓協会.


日本腎臓協会:腎代替療法の比較.


日本腎臓協会:血液透析.


日本腎臓協会:腹膜透析.


日本腎臓協会:腎移植.


全国腎臓病協議会:血液透析.


全国腎臓病協議会:腹膜透析.


全国腎臓病協議会:腎臓移植.


テルモ株式会社:テルモ腹膜透析システム.


バクスター株式会社:テルモ腹膜透析システムホームPDシステム かぐや.

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