フレイル・サルコペニア予防のための食事と運動

フレイル・サルコペニアの予防は、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などのたんぱく質を中心にを毎食摂り、主食・主菜・副菜などバランスの良い食事を心がけることと、片足立ちやスクワットなどの筋力トレーニングと、ウォーキングなどの運動と社会参加が重要です

フレイルとは

フレイルの語源は英語の「frailty」、虚弱状態からきています。 フレイルは、早期に適切な介入を行うことで再び健常な状態に戻るという可逆性が包含されています。 フレイルとは、加齢に伴って身体機能や予備能力が低下した状態であり、健康な状態と要介護となる状態の間に位置しています。したがって、フレイルの状態であれば、早期に適切な介入を行い、栄養状態や運動を改善することで、再び健康な高齢者の状態に戻ることができます。 フレイルは、精神・心理的問題(認知機能の低下など)や社会的な問題(独居、経済的困窮など)が複合的に絡み合い、心身の予備能力が低下した状態です。

フレイルチェック

フレイルは、健康から要介護へ進む中間の状態ですが、フレイルの状態に移っていることに自分では気づかない場合も少なくありません。 ただ、フレイルは早い段階であれば、健康な状態に戻すことも可能です。まずはご自身や周囲の方に、フレイルの兆候がないのかをチェックしてみましょう!

サルコペニアとは

サルコペニア(筋肉減弱症)とは、加齢により筋肉の量や筋力が低下した状態のことです。 日常生活の基本動作が困難になり、転倒や骨折のリスクを高めます。サルコペニアは、加齢だけでなく、活動不足、栄養不良、疾患により筋肉量が減少し、全身の筋力低下および身体機能の低下が生じる状態です。 食事の量やバランスが悪くて栄養が十分でないことや、からだを動かさずに運動量が少ない生活習慣などを背景として筋肉の量が減り、そのためにさらに運動量が減るという悪循環を起こします。 サルコペニアは。痩せている人が多いのですが、太っていれば安心というわけではありません。筋肉太りでなく、運動量が少ない肥満の人に多い場合は、太っているのにもかかわらずサルコペニアに該当することもあります。

サルコペニアチェック

サルコペニアを放置すると、筋力がさらに低下し、転倒・骨折のリスクが増加し、寝たきりや要介護状態に陥る可能性があります。活動量の低下やフレイル(虚弱状態)を招く悪循環に陥り、認知症>>や生活習慣病のリスクも高まります。 まずはご自身や周囲の方に、サルコペニアの兆候がないのかをチェックしてみましょう!

フレイル・サルコペニアの予防:食事

骨・筋肉を維持するために肉、魚、大豆製品、卵、牛乳などのたんぱく質、牛乳、乳製品、小魚などのカルシウム、ビタミンD、ビタミンKを積極的に取る事と、野菜や果物、炭水化物もバランス良く組み合わせ栄養バランスの良い食事を心がけ、3食きちんと食べることが重要です。

フレイル・サルコペニアの予防:運動

フレイル・サルコペニアの予防はレジスタンス運動・筋トレが効果的です。 代表的なレジスタンス運動としては椅子の立ち座り(スクワット)運動ですが、方法としては椅子に座り、ゆっくりと立ち上がり、ゆっくり座る動作を繰り返します。膝やテーブルを支えにしても構いません。 椅子の立ち座り(スクワット)運動に慣れてきたら徐々に負荷を上げ週に2〜3回程度、1セット10回程度を2〜3セットを定期的に行うことが大切です。
□筋力を鍛える:片脚立ち、かかと上げ、スクワットなど

■片脚立ち
目的:バランス感覚と下肢の筋力を養う。
やり方:机や壁などに手をついて、片足を床から5cmほど持ち上げる。
1分間、姿勢をまっすぐに保って片足立ちをする。
左右の足を入れ替えて、左右1分ずつ、1日3セット行う。

■スクワット
目的:下半身や体幹の筋力を高める。
やり方:足を肩幅より少し広めに開き、つま先を外側に30度ほど開く。
お尻を後ろに引くように、ゆっくりと膝を曲げる(膝がつま先より前に出ないように)。
深呼吸をするくらいのペースで5~6回繰り返す。
1日3セット行う。
イスに座って立ち座りを繰り返したり、机に手をついて行ったりするなど、無理のない範囲で行う。




また有酸素運動として、ウォーキングなどを1日30〜60分を目安に、軽く息が弾む程度の強度で行います。
□有酸素運動を習慣にする:階段を使う(エスカレーターやエレベーターを使わない)、ジョギング、強歩(速足)で歩く、電車内で立つなど

フレイル・サルコペニアの予防:社会参加

フレイル・サルコペニアの予防には、週に1回以上、誰かと交流したり、月1回以上、趣味やボランティアなどの目的を持った活動に参加するなどの社会参加が有効です。社会参加・地域活動・友人との交流は、精神的な健康維持に役立ちます。

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フレイル・サルコペニア予防のための食事と運動に関する用語集

ロコモティブシンドローム:ロコモティブシンドロームとは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」と定義されます。ロコモは筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった自分一人で移動することに何かしら支障が起きている状態のことです。片脚立ちで靴下を履けない、家の中でつまずくことがある、階段を上るのに手すりが必要、などが当てはまる場合はロコモの可能性があり、そのままでは将来的に介護の必要性が高くなることが予想されます。なお、骨粗鬆症もロコモが関係している病気です。

サルコペニア:サルコペニアという単語は、ギリシャ語で筋肉を表す「sarco(サルコ)」と喪失を表す「penia(ぺニア)」からの造語です。日本語では「筋肉減弱症」と訳されることもあります。サルコペニアは、1989 年に提唱され、その後、2010年にヨーロッパの研究チームによって、「筋肉量と筋力の減少に特徴づけられる症候群で、身体機能障害、QOL低下、死亡リスクを伴う」と定義されました。 サルコペニアとは、加齢や疾患により筋肉量が減少し、全身の筋力低下および身体機能の低下が生じる状態です。食事の量やバランスが悪くて栄養が十分でないことや、からだを動かさずに運動量が少ない生活習慣などを背景として筋肉の量が減り、そのためにさらに運動量が減るという悪循環の結果、サルコペニアはより進行してしまいます。 サルコペニアは、ロコモと同様に、将来的に介護が必要になる可能性が高くなります。痩せている人が該当することが多いのですが、太っていれば安心というわけではありません。筋肉太りでなく、脂肪太り(運動量が少ない肥満の人に多い)場合は、太っているのにもかかわらずサルコペニアに当てはまることがあります。

フレイル:フレイルは、米国で用いられている「frailty」に由来しますが、日本老年医学会では、日本語訳として「虚弱」を使わずに、あえて「フレイル」という言葉を提唱しました。これは、「虚弱」という単語には、もう健康な状態には戻れない、というイメージを伴うためです。これに対して、frailty には、しかるべき介入により再び健常な状態に戻るという可逆性が包含されています。65歳以上が要介護になる原因の第3位は「高齢による衰弱」です。「高齢による衰弱」というのはあいまいな概念ですが、最近では、日本老年医学会より提唱された「フレイル」という用語がよく使われています。 フレイルとは、加齢に伴って身体機能や予備能力が低下した状態であり、健康な状態と要介護となる状態の間に位置しています。したがって、フレイルの状態であれば、早期に適切な介入を行い、栄養状態や運動を改善することで、再び健康な高齢者の状態に戻ることができます。 

   

引用・参考文献

下記ホームページも併せてご参照ください。 詳しい情報や最新情報などを閲覧することができます。


厚生労働省:健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~.


厚生労働省:健康日本21アクション支援システム サルコペニア.


厚生労働省:健康日本21アクション支援システム ロコモ予防.


ロコモ オンライン.


日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは.


日本整形外科学会 ロコモテオンライン.


国立長寿医療センター ロコモティブシンドローム(ロコモ)をご存知ですか.


国立長寿医療センター ロコモティブシンドローム(ロコモ)をご存知ですか.


科学長寿進行財団 ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは.


科学長寿進行財団 サルコペニアの原因.


日本老年学会 フレイルとは.


日本老年学会 サルコペニアの運動療法.


日本老年学会 サルコペニア診断.


科学長寿進行財団 サルコペニア・フレイル.


科学長寿進行財団 サルコペニアとは.


日本フレイルサルコペニア学会 フレイル・サルコペニアとは.


日本生活習慣予防協会 ロコモティブシンドローム/サルコペニア/フレイル.


ソニー生命 ロコモティブシンドローム.


骨だいじょうぶ ロコモティブシンドローム.


大正製薬 筋トレでロコモ.


大阪市 ロコモティブシンドローム.

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