糖尿病の人はお酒の飲みすぎにご注意!
ワインを食事時に飲むと糖尿病リスクが減少?!

糖尿病の人はお酒(アルコール)の飲みすぎにご注意!

• 「適度な飲酒」のアルコール量は1日に20~25g

アルコール量20gの目安
ビール 約500ml(ロング缶)
日本酒 約180ml(一合)
ウイスキー 約60ml(2杯)
焼酎 約100ml(1杯)
ワイン 約120ml(2杯)
チューハイ 約350ml(1本)

お酒(アルコール)を飲むとインスリン感受性は改善するとの報告がありますが、その反面、長期間の飲酒でインスリン分泌量が低下することも報告されています。お酒(アルコール)の摂取量と糖尿病や、関連する疾患(高血圧や肥満、肝臓病、脳卒中、心臓病、がんなど)のリスクは、「Uカーブ」の関係にありますので適度な飲酒をしていると、血糖コントロールの状態は良くなり、糖尿病合併症も減るという報告があります。
アメリカの糖尿病学会(ADA)では、「安全にお酒を飲む方法について、個別化する必要がある」と指摘し、糖尿病の人がお酒(アルコール)を飲むときの注意点をアドバイスしています。
①インスリンや、SU薬などの経口血糖降下剤で薬物療法をしている人は、低血糖を起こしやすくなるので、 食事をとらずに飲酒したり、お酒(アルコール)を飲むから食事を抜くことは避ける。
②ビグアナイド薬(メトホルミン)は副作用である乳酸アシドーシスを起こしやすくなるので、過度の飲酒を避ける。
③SGLT2阻害薬は血液中の糖を尿中に排出させる利尿作用があるので、過度の飲酒を避ける。お酒(アルコール)を飲むときは水分を補給する。
④アルコールの利尿作用で脱水状態になりやすいので、お酒(アルコール)を飲むときは水分を補給する。

ワインを食事時に飲むと糖尿病リスクが減少?!

食事時に適度のワインを飲んでいる人は、2型糖尿病のリスクが減少することが、アメリカやイギリスの大規模な調査で明らかになりました。 このような結果はアルコールによるものだけでなく、ワインに含まれる抗酸化物質が2型糖尿病の発症を潜在的に減らした要因があるといわれております。 とくに赤ワインには、ポリフェノールの一種で抗酸化作用のあるレスベラトロールが含まれており血糖値を下げたり、動脈硬化を改善すると考えられています。 しかし適量のお酒(アルコール)の摂取は、アルコールのメリットを打ち消してしまいますので、摂取量には注意が必要です。

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糖尿病の人はお酒(アルコール)の飲みすぎにご注意!
ワインを食事時に飲むと糖尿病リスクが減少?!まとめ

糖尿病の人はお酒(アルコール)は適量であれば、インスリン分泌を促進し血糖値を下げる作用があり、糖尿病発症リスクを減少させる可能性があります。 ただお酒(アルコール)を飲みすぎると血糖コントロールを悪化させ、低血糖を引き起こすリスクが増加します。また、肝臓や膵臓にも悪影響を与えるため、習慣的な多量飲酒は控えることをお勧めします。
柏原市の名産であるワイン(ぶどう)においても、ワインに含まれる抗酸化物質が血糖値を下げたり、糖尿病発症リスクを減少させる可能性や、動脈硬化を改善する可能性がありますので、食事時に適量のワインを飲むことは健康にいいと思います。


糖尿病の人はお酒(アルコール)の飲みすぎにご注意!に関する用語集

 インスリン:膵臓のβ細胞で作られる、血糖値を下げる唯一のホルモンです。インスリンは血液中のブドウ糖(血糖)を細胞に取り込み、エネルギーとして利用できるようにする働きがあります。インスリンの作用が不足(インスリン分泌量、インスリン抵抗性)すると、血糖値が上昇し、高血糖の状態になります。



レスベラトロール:レスベラトロールは抗酸化作用、抗炎症作用、アンチエイジング効果などが期待されています。また、心臓病、糖尿病、認知症の予防にも効果があるとの研究結果も報告されています。



 SGLT2阻害薬:SGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管でブドウ糖の再吸収を阻害し、尿から糖を排出させることで血糖値を下げる糖尿病治療薬です。



 ビグアナイド薬(メトホルミン):ビグアナイド薬(メトホルミン)は肝臓での糖産生を抑え、筋肉や脂肪組織での糖の取り込みを促進し、腸管からの糖吸収を抑制する糖尿病治療薬です。



 SU薬(スルホニル尿素薬): SU剤(スルホニル尿素薬)は膵臓のインスリン分泌を促し、血糖を下げる糖尿病治療薬です。

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