痛風の概要・原因・症状・診断について

痛風の概要

痛風は、高尿酸血症が原因で関節に尿酸結晶が沈着し、炎症を引き起こす疾患です。

痛風の原因・症状

痛風の原因
・高尿酸血症の持続 ・プリン体を多く含む食品やアルコールの過剰摂取 ・脱水や急激な食事制限
痛風の症状
・足の親指の付け根に起こる激しい関節痛 ・腫れ、発赤、熱感(炎症所見) ・慢性化 すると関節の変形や腎障害を起こす

痛風の診断

・血中尿酸値の上昇 ・関節液検査で尿酸結晶の確認 ・炎症マーカー(CRPや白血球数)の上昇 ※痛風発作中の関節内に尿酸の結晶があることを証明する。通常は血中尿酸値が高く痛風特有の臨床症状で診断する。

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痛風の治療

痛風関節炎の発作を防ぐことが重要です。痛風発作時は激しい痛みがありますので消炎鎮痛剤(NSAIDs等)を使用して激痛をおさえます。また尿酸沈着による併発症である腎障害(腎痛風)や尿路結石を発症、進展させないことも重要です。また一度でも痛風の発作を起こしたことがある場合は、薬物療法が選択されます。尿酸値は、痛風発作が起きた場合、6mg/dl以下を目標にコントロールします。一般的には、尿酸の生成を阻害するための薬が使われます。尿酸の排泄を促進するお薬もありますが、排泄を促進することで尿路結石が悪化することがあるので、処方の際には注意をして選択しています。

痛風の生活習慣改善ポイント

●痛風発作時は激しい痛みがありますので消炎鎮痛剤(NSAIDs等)を使用して激痛をおさえます
●水分摂取(1.5〜2L/日) ・アルコール制限 ・プリン体の多い食品(レバー、白子、干物)を制限する

プリン体を含む食品
プリン体が極めて多い
(300mg~)
鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し
プリン体が多い
(200~300mg)
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、さんま干物
プリン体が少ない
(50~100mg)
ウナギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛タン、ハム、ベーコン、ほうれん草
プリン体が極めて少ない
(~50mg)
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ、カズノコ、スジコ、ウインナソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、 とうもろこし、ジャガイモ、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、 キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、海藻類

お酒(アルコール飲料)のプリン体
ビール大びん(633ml) 27.5~43.4㎎
日本酒1合(180ml) 2.2㎎
ワインハーフボトル(375ml) 1.5㎎
ウイスキー1杯(80ml) 0.1㎎
焼酎(100ml) 0.03㎎

痛風の薬物療法

痛風発作時

・主な作用・特徴:炎症と痛みを緩和 
・主な薬剤一般名:ロキソプロフェンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、コルヒチン等
(製品名:ロキソニン錠・ボルタレン錠・コルヒチン錠等)
尿酸生成抑制薬

・主な作用・特徴:尿酸生成を抑制 
・主な薬剤一般名:アロプリノール、フェブキソスタット等
(製品名:ザイロリック錠・フェブリク錠等)
尿酸排泄促進薬

・主な作用・特徴:尿酸排出を促進、腎負担少ない
・主な薬剤一般名:ベンズブロマロン、ドチヌラド等
(製品名:ユリノーム錠・ユリス錠等)

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当院での取り組み

・白岩内科医院では、痛風発作の早期対応と再発予防の両面から、内科医を中心に 看護師、薬剤師、管理栄養士と連携し、包括的な支援を行っています。急性期の痛 みのコントロールだけでなく、長期的な尿酸管理を生活習慣に即して支える医療を大 切にしています。

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高尿酸血症用語集

 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):炎症や痛みを抑える薬。
 コルヒチン:白血球の働きを抑えて痛風発作の炎症を和らげる薬。
 CRP(C反応性タンパク):体内の炎症の程度を示す血液検査項目。
 プリン体:DNAやRNAの構成成分で、ビールや内臓肉などに多く含まれます。
 関節液:関節の中にある液体で、炎症や結晶の有無を調べる検査に用います。
 尿酸:プリン体の代謝によって体内で生成される老廃物の一種。
 痛風発作:関節内に沈着した尿酸結晶により急性の炎症と激痛を起こす状態
プリン体を多く含む食べ物:鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し、豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、サンマ干物。

引用・参考文献

下記ホームページも併せてご参照ください。 詳しい情報や最新情報などを閲覧することができます。